理念

競技者育成プログラムの基本理念

基本理念

国際レベルの競技能力の開発を目指して、競技者の発掘・育成・強化の全体を通じた共通の理念と指導カリキュラムに基づいてそれぞれの時期に最適な指導を一貫して行うこと。また、ソフトテニス競技をより魅力のあるスポーツに育て、競技を通じて青少年の育成に寄与していくこと。

この理念を現実のものにするため、

1. 各年齢層のカテゴリーからなるunder14、under17、under20等の育成。

2. 各カテゴリーの日本代表の強化。

3. それらの活動を支える指導者やオフィサー・スタッフの養成を一体として、積極的、組織的に図る。

一貫指導システム

競技者育成プログラムを構成する

■一貫指導とは…

国際的な競技者育成の動向等を踏まえ、トップレベルの競技者を育成するための指導理念や指導内容等を競技者の発達段階や技術水準に応じて明確にし、優れた素質を有する競技者にこの指導理念に基づく高度な指導を継続して行うこと。

■一貫指導システムとは…

競技者の育成に重要なジュニア・ユース期の各学校段階での異なる指導者の下においても、一貫した指導理念に基づいて、個人の特性や発達段階に応じた最適の指導を受けることを通じて、トップレベルの競技者に育成されるように構築されたシステム。

競技者育成プログラムにおける指導理念

我が国のスポーツ界における競技者の育成は、ジュニア期の競技者については学校等の指導者が、トップレベルを目指している競技者については大学、企業等の指導者が、それぞれの考え方に基づき指導を行い、これらの競技者のうち国内の競技大会で好成績を収めた者を、オリンピックをはじめとする国際競技大会への参加に向けて強化するという方法が主体であった。学校部活動中心に発展してきているソフトテニス界においては、特にその傾向が強い。

しかしながら、この方法では、競技者の能力を将来に向けて適切に向上させていくための指導が十分に行われず、とりわけ競技者の育成上最も重要なジュニア期における指導を、各学校段階を通じて継続的に実施していくことは困難である。このことが、トップレベルの競技者の輩出を妨げ、競技者の育成を計画的に行う諸外国と比較して、わが国の国際競技力の低下を招いた要因の一つに挙げられている。

また、少子化の進行等により競技人口の縮小が懸念される中、自然に淘汰されて選びだされた競技者を強化するという現在の育成方法では、今後の国際競技力の向上は望みにくい状況にある。

このため、(公財)日本ソフトテニス連盟では、現在の育成方法を見直し、「競技者育成プログラム」を策定した。

このプログラムは、優れた素質を有する競技者が、指導者や活動拠点等にかかわらず、一貫した指導理念に基づく競技者個人の特性や発達段階に応じた最適の指導を受けることを通じ、トップレベルの競技者へと育成されるシステムである。

当連盟では、このシステムに基づき、競技者の発達段階や技術水準に応じて、明確かつ高度な指導を継続して行うことが不可欠であると位置づけた。

指導者自身が本プログラムを熟知し、競技者にとって最適な指導がなされることが最も重要であることを理解して指導にあたるとともに、次に掲げる「望ましいソフトテニス指導者像」の各項目を十分に踏まえて、指導者としての資質を高めつつ指導することが、競技者育成プログラムにおける最大の指導理念となる。

なお、本プログラムが円滑に機能するためには、競技者が日常のトレーニングを行う学校等における指導内容と本プログラムの指導内容とが大きく異なることにより、競技者の育成に支障が生じないよう、学校等や各クラブと連盟が十分な連携を図ることが肝要である。

望ましいソフトテニスの指導者像

①競技者育成プログラム(一貫指導システム)の理念と方法を理解し、競技者の年齢、技能、要求にあったその年代における最適な指導を行う。

②コミュニケーションスキルを身に付け、「プレーヤーの話を聞く」、「叱るより良い点を誉めて伸ばす」、「教えすぎずプレーヤーに考える力をつけさせる」、「責任を持たせる」など、プレーヤーのやる気と自立心を育てるためのサポートをする。

③スポーツマンシップとフェアープレーに代表される、マナー、エチケットなど道徳的規範を身につけさせるためのサポートをする。

④プレーヤーが明確な目標を設定できるようにサポートする。

⑤ソフトテニスとの出会いをコーディネートする。

⑥ソフトテニスを継続できるようにサポートする。

⑦ソフトテニス仲間をつくるためのサポートをする。

⑧快適なソフトテニスライフを構築するための方法や内容についてのサポートをする。

⑨メディカルスタッフ、コンディショニングスタッフ、マネージメントスタッフなどと協力し、プレーヤーに対し最適な環境を提供する。

⑩自ら研鑚に努め社会に評価される指導者を目指す。

指導者について

一貫指導システムを導入する上で、U-14、U-17、U-20の選手を育成する為の指導者には、当然多くの各層の指導者を必要とするが、それぞれの地域には、かつて社会人の大会や大学・高校でトップ・プレーヤーとして活躍した人達が、ソフトテニスに参加する機会を失って、活動しないでうもれている者が多いと考えられる。

このような人達に、かつての経験を活かして是非仲間としてソフトテニスの強化活動に力を貸していただきたい。そうなることで‘指導者養成プログラム’の構想に繋がり、その力の中身(コンセプト)を共有して、目標への道を切り開いていかなければならない。これこそが指導者養成プログラムが目指している水準と内容である。

これまで、一つのチームが初心者から上級者まで、一人の指導者によって指導・統率される、いわゆるワンマン体制が常識的であったが、この一貫指導システムは、同じ指導理念で複数の指導者が連絡を取り、所属・地域・ブロックという枠を超えてアスリートを育てていこうというものである。

それだけに指導者の責任が明確になり、重いものとなる。また、指導にあたる者が共通の理念に添った指導をしなければならない。指導者資格制度の活用が重要になってくると考える。

公認スポーツ指導者養成制度との関連について

この一貫指導システムは、地域全体で選手を発掘し、育成し、ブロック全体でまた、日本全体で強化していこうというものであり、各都道府県から各ブロックまでが日本連盟が提案する共通した競技者育成プログラムの理念のもとで進んでいくことを意味しているものである。

このような一貫したプログラムのもとで、競技者を育成するシステムを構築するためには、日本連盟にとって一貫指導システムを理解した新たな指導者の養成が早急かつ必須の課題である。

平成17年度より、公認スポーツ指導者制度の見直しがなされ、競技力向上指導者(A・B・C級コーチ)と地域スポーツ指導者(A・B・Cスポーツ指導員)から指導者制度が一本化され、指導員・上級指導員・コーチ・上級コーチへと公認スポーツ指導者養成制度が改定された。公認スポーツ指導者を養成するうえで、当連盟は、競技者育成プログラムとの関連を次のように考えている。

競技者育成資格

具体的な方策として、以下のようなことが考えられる。

(1) 公認スポーツ指導者養成事業を積極的に奨励する

・指導員、上級指導員、コーチ、上級コーチを積極的に養成する

各支部から中学、高校、大学、実業団で活躍されている指導者に積極的に公認指導者資格の取得を勧める。

(2)公認コーチ資格者のための研修会、情報交換会の開催

・コーチ会議等の形式で情報交換会ならびに実技指導講習会を開催

(3)コーチ資格の必要な指導者の事前セミナーを開催する

(4)JOCの海外派遣事業で指導者(特に教員)を2年間派遣する。